-
027-362-3857受付時間:8:00~17:00(平日)
こんにちは。
株式会社ナカハラ ACEWEBの四方田(よもだ)と申します。
前回、動画生成AI「Sora」についてのコラムを書きましたが、その約1ヶ月後、突如としてOpenAIから「Sora2」の発表がありました。
これまで通りテキストで指示(プロンプト)を入力するだけで動画を生成できるのは勿論、物理法則の理解や音声生成機能が大幅に向上しています。
今回は、Sora2を用いた動画生成を試すのに加え、浮き彫りになった著作権問題と法的リスクについて触れていきたいと思います。
Soraにログインします。
Soraは公式ページからログインするか、専用アプリをダウンロードする必要があります。
ホーム画面では、他のユーザーが生成した動画を見ることができます。
竜巻で動物が飛ばされる動画や、おばあちゃんが杖でいろんなものを追い返す動画が人気の様です。
「雪の上ではしゃぐ犬」というプロンプトで、動画を生成しようと思います。
生成時間は、内容にもよりますが30秒~3分といったところでしょうか。
アプリで登録していると、生成完了時にコメントで通知をしてくれます。
今回生成された動画がこちらです。
いかがでしょうか。
精巧な動きに加えてBGMと効果音までついているため、ロゴマークが無ければ本物と錯覚してしまうクオリティです。正直ここまでのレベルになっているとは思いませんでした。
初代Soraでは、動きが不自然だったり、物理的に破綻した映像になることがありましたが、
Sora2では、より自然な動き・物体のぶつかり・重力の動きを守るよう改良されています。
初代Soraでは無音動画が基本でしたが、Sora2では、音声(セリフ・効果音・BGM)が動画と一緒に生成されるようになりました。
前回のSoraについてのコラムで、「ドラムを演奏する猿」について動画を生成しました。
Sora2で同様のプロンプトで動画を生成して比較してみると、その差は一目瞭然です。
動き的にも演出的にも破綻しています。
自然な動きに加え、ドラムの音も再現されています。
スマホで自分の動画を撮ることで、自分そっくりの人物が登場する動画を生成できる機能です。
その動画を元に、「スポーツ選手の試合で活躍する」「ビールのCMに出演する」といった指示(プロンプト)を出すだけで、自分を主役にしたような動画を作ることができます。
OpenAI公式動画より。OpenAIの社員の人がテニス選手になったような動画が作られています。
一番の注目機能…のはずですが、あまり使われていないのが現状の様です。
現在Sora2は招待制となっており、既存のユーザーから招待コードを提供してもらうか、
待機リストに登録し、利用開始の通知が届くのを待つかのどちらかとなります。
私は待機リストに登録していましたが、利用可能になるまで10日程かかりました。
招待コードは、OpenAIが公式にテスト参加者へ配布したり、既存ユーザーが友人やSNS上で共有する形で配られることが多いです。X(旧Twitter)では、コードを受け取った人がさらに別の人にコードを渡すといった、「コードリレー」が行われているようです。
しかし、中にはコードを有料販売しているものや、「公式サイトでコード配布中!」といった情報で、偽サイトへ誘導しているケースもあるので、これらの情報源については必ず確認することが重要です。
この手の生成AIで必ず問題になるのが著作権です。
実はSora2がリリースされた直後は、「ドラゴンボール」、「鬼滅の刃」、「ポケモン」といった日本の作品をもとにした動画が多数生成されていました。
明らかにアウトな動画たちが見受けられた
さらに、当初Sora2には「オプトアウト方式」という形式が採用されており、コンテンツの権利者が不許可申請しない限り、勝手に使用できてしまう仕組みとなっていました。
本来であれば使用の許可を得るのが基本であった著作権の常識を覆すもので、世界中で批判が殺到。
特に日本での反発は大きかったようです。
このような問題を受け、OpenAIはリリースからわずか3日にして方針を転換し、
権利者が事前に許可した場合にのみキャラクターの生成を許可する「オプトイン」方式へ移行しました。
また、「著作権者が自分のキャラクターや作品の使われ方をより詳細に設定」、「動画生成の収益化と権利者への収益分配」といった機能の導入についても予定されています。
これで、生成AIの著作権問題が完全に解決したわけではありませんが、ユーザーが動画生成によって著作権侵害してしまうリスクが大幅に減ったと言えるでしょう。
Sora2は、映像表現の自由度を大きく広げた次世代の動画生成AIです。
従来モデルと比べて動きや質感、カメラワークが格段に自然になり、誰でも短時間で高品質な映像を作れるようになりました。
一方で、生成映像が他者の著作物や肖像に似るリスクも指摘されており、AIを使う側の「責任ある利用」も求められています。
Sora2は単なるツールではなく、「アイデアを映像化する新しい創作パートナー」として活用できる存在です。
正しい理解とルールのもとで使いこなすことで、これまでにない表現の可能性が広がっていくでしょう。