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こんにちは。
株式会社ナカハラ ACEWEBの四方田(よもだ)と申します。
年末なので、今回は少し軽めのテーマです。
アニメーションの“気持ちよさ”には、実は昔から語り継がれている定番の考え方があります。それがディズニー発祥の12のアニメーション原則。
言葉だけだと分かりにくいところもあるので、動画の例を見ながら一緒に眺めていきます。
スクアッシュ&ストレッチは、形を“潰す・伸ばす”ことで 重さ/柔らかさ/勢い を伝える原則です。単に変形させるのではなく、「体積はおおむね保ったまま」潰れる・伸びると自然に見えます。
この表現がないと、ロボットのようなカクカクした動きになってしまいます。
予備動作とは、本動作の前に 小さな前フリ を入れて「次に何が起きるか」を予告する原則です。アニメで言えばジャンプ前の“しゃがみ”。予告があることで、次の動きを脳が受け止めやすくなり、予期した通りの動きになることで、見る側は気持ちよくスムーズに内容を理解することができます。
ステージングとは、見せたい情報や意図を 迷わせずに伝える配置・見せ方についての考え方です。
大事な行動の瞬間に、背景の情報量を減らすこと、目線誘導(視線の先に答えがある/光が当たる場所)など、主役をはっきりさせるのが重要で、「派手にすること」よりも不要なものを消す勇気が必要になります。
これはアニメーションの作り方の原則です。
ストレートアヘッド:最初から最後まで順に作る(勢い・偶然性が出る)
ポーズトゥポーズ:重要なポーズ(キー)を先に決め、後でその間を補間する。
基本的にはこの2つを混ぜ合わせてアニメーションを作っていきます。
本体が止まっても末端が少し遅れて動く(余韻が残る)、部位ごとにタイミングがずれる(重なって動く)という原則です。
髪・服・しっぽ・腕・頬など、柔らかい部分ほど遅れてついてきます。これが入ると、より説得力のあるアニメーションになります。
動きの始まりと終わりに、加速・減速を作る原則です。現実の物体は一瞬で最高速にならず、止まるときも急停止しません。アニメでこれを無視すると機械的に見えやすく、逆に適切に入ると“上手い動き”に見えます。
動きの始まりと動きの終わりの速度はゆっくり描くのが基本です。
自然な動きは直線ではなく、弧(アーク)を描くことが多い、という原則です。腕を振る、頭を回す、投げる、ジャンプする——関節や重心がある動きほど軌道がカーブになります。直線移動が悪いわけではなく、意図がない直線がロボットっぽさを生む、というイメージです。
メインの動きを引き立てる副次的なアクションをセカンダリーアクションと呼びます。
歩く(主動作)に対して腕振りや体の上下運動(補助)、話す(主動作)に対してまばたきや視線移動(補助)など。主役は常に主動作で、補助は“味付け”です。
同じ動作でも、時間配分(フレーム数)で重さや性格は変わって見えます。
軽いものは素早く反応し、重いものは遅れて動き出す。感情でも、間が長いと不安・迷い、短いと勢い・即断に見えます。
現実をそのまま再現すると地味に見えることがあるため、要点を誇張して伝える手法です。
カートゥーン的な作品のイメージが強いですが、表現したいことを強調することで、“読み取りやすさ”の補強としても働きます。
元々は作画の原則で、立体感・重心・バランス・シルエットなど「形の説得力」を指します。
“上手い絵”というより、観客が無意識に納得できる構造にするのがコツです。
魅力・読みやすさ・惹きつける力の原則です。カッコいい/可愛いだけでなく、シルエットが分かりやすい、動きのリズムが心地いい、感情が伝わる——そういった総合力がアピールです。
アピールは派手さではなく“覚えやすさ”。複雑さより一貫したルールが魅力になります。
今回は年末の軽い読み物として、「12のアニメーション原則」を動画の実例と一緒に眺めてきました。
スクアッシュ&ストレッチで質感を出し、アンティシペーションやステージングで“見てほしいもの”を迷わせず、スローイン&アウトやタイミングで心地よさを整える——原則ごとに名前は違っても、共通しているのは「動きや間には意図がある」ということです。
この考え方は、アニメーションに限らず、映像の見せ方全体にもよく似ています。たとえば、カットの入り方や“間”の取り方、視線誘導、余韻の残し方などは、言い換えれば「動きの原則」を別の形で使っているとも言えます。
動画を作る側としても、表現を派手にするためというより、「何を、どう伝えると気持ちよく届くか」を考えるヒントとして、12の原則は意外と頼れる整理軸になります。
