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こんにちは。こんばんは。
記事を作成するのは8度目になります。
株式会社ナカハラ ACEWEBの飯田です。
社内では主にサイトの構築(コーディング)を行っております。
よろしくお願いいたします。
年末になると、メールのやり取りも、打ち合わせも、どこかスピードが上がります。
「今年中にここまで進めたい」「年明けに気持ちよくスタートしたい」
そんな空気の中で、ふと立ち止まる瞬間があります。
「伝えたはずなのに、うまく伝わっていなかった」
相手が悪いわけでも、自分が悪いわけでもないのに、なぜかズレる。
年末は、そんな“ズレ”に気づきやすい時期なのかもしれません。
だからこそ本記事では、少しだけ肩の力を抜いて、「“伝わる”って、結局なんだろう?」を考えてみます。
「伝える」は、情報を相手に投げること。
文章にする、言葉にする、資料を送る。
ここまでは、意外と誰でもできます。
でも「伝わる」は、相手の頭の中に“同じ景色”が浮かぶこと。
ここが難しい。

たとえば、同じ「シンプルにしたい」という言葉でも、ある人は「白っぽくて余白が多いデザイン」を想像し、別の人は「要素を減らして分かりやすくしたい」を想像します。
言葉は同じでも、見ている景色が違う。
ここに、すれ違いの芽があります。
つまり、“伝わらない”の原因は、言い方が下手だからではなく、前提が揃っていないから起きることが多い。
まずは前提がそろっているか。
ここを確認するだけで、会話も文章も驚くほどスムーズになります。
ズレは、ひとつの原因で起きるというより、いくつかの小さな行き違いが重なって生まれることが多いです。
よくあるものを、いくつか挙げてみます。
① “いい感じで”が便利すぎる
「いい感じ」「それっぽく」「今風に」。
どれも悪い言葉じゃないのに、便利すぎて、相手の脳内に丸投げになりやすい。
結果として、完成形が人によって変わります。
② 誰に向けているかが、途中で入れ替わる
「お客様向け」に書いていたはずが、途中から「社内向け」になっていたり。
「初めての人に優しく」のつもりが、いつの間にか「詳しい人向け」になっていたり。
相手(読者)が入れ替わると、言葉の温度も、必要な説明も変わってしまいます。
③ 結論より先に背景を話してしまう
丁寧に説明しようとして、背景から話し始める。
すると相手は「で、結局どうしたいんだっけ?」と迷子になります。
真面目な人ほど起こりやすいズレです。
④ 相手の“忙しさ”が前提に入っていない
年末は特に、みんな忙しい。
読む体力がない。
考える余裕がない。
だからこそ、伝わる文章や会話は「短く」「順番が良く」「迷わせない」。
これだけで体感が変わります。
一方で、同じ言葉でも、驚くほどスッと伝わる瞬間もあります。
違いはどこにあるのか。
よく見てみると、共通点がいくつか見えてきます。
具体例が1つある
長い説明より、具体例が1つある方が伝わることが多いです。
写真でも、文章でも、数字でもいい。
「たとえば、こういう感じ」という“たった1つ”が、相手の景色を揃えてくれます。
相手の不安に先回りしている
「初めての方でも大丈夫です」「手続きは3ステップです」「ここは任せてください」
この一文があるだけで、相手の頭の中の“ざわつき”が減ります。
伝わるのは、情報だけじゃなく、安心も含まれているんだと思います。
言葉の温度が揃っている
熱量が高い言葉を並べたのに、最後だけ急に冷静だったり。
逆に、淡々と説明していたのに、途中から急にポエムになったり。
温度差があると、相手はどこに気持ちを置けばいいか分からなくなります。
伝わる文章は、温度が一定です。
ここからは、年末の空気に合う「頑張りすぎない工夫」です。
大がかりなことをしなくても、“伝わる”は少しずつ増やせます。
① 最初に1行だけ書く:「誰に/何を/どうしてほしい」
たとえば、
・初めてのお客様に、安心して問い合わせしてほしい
・採用候補の方に、社内の雰囲気をイメージしてほしい
この1行があるだけで、言葉の迷子が減ります。
② 伝えたいことは3つまでに絞る
5個も6個も言いたくなるのが人間です。
でも、受け取る側は3つくらいが限界。
年末の忙しい時期ならなおさらです。
「今年いちばん伝えたいこと」を3つに絞ると、文章が急に強くなります。
③ “具体”を足すなら、量より順番
長く説明するより、「抽象 → 具体」の順番が大事です。
例)“安心できます” → “24時間以内に返信します”
この順番にすると、相手の景色が整います。
④ 最後に一文だけ、背中を押す
「まずは気軽にご相談ください」でもいいし、「年明けからでも大丈夫です」でもいい。
年末は特に、相手は“決めきれない”状態になりがちです。
最後の一文は、情報ではなく、相手の行動を軽くしてあげる言葉が似合います。
結局、“伝わる”って何だろう。
たぶんそれは、言葉を飾ることでも、完璧に説明することでもなくて、相手の頭の中に「同じ景色」を用意してあげること。
相手の状況を想像して、迷わない順番で、安心できる温度で渡すこと。
そういう小さな配慮の積み重ねなのだと思います。
今年も、うまく伝わったことも、伝わらなかったことも、きっとたくさんあったはずです。
年末は、その両方を振り返って、来年を少しだけ優しく始められる季節でもあります。
本記事が、あなたの「伝わる」を少しでも増やすきっかけになればうれしいです。
私自身も改めて、「伝える」と「伝わる」は別物だという前提に立ち返りながら、相手の頭の中に同じ景色を用意できる言葉を選んでいきたいと思います。
今年もありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。
